2008年2月24日日曜日

二つの祖国

「二つの祖国」山崎豊子著

山崎豊子さんの作品を読むのは、まだ2作目なのだけれども
昭和時代のフィクションで、日本人のオリジナリティがよく描かれていて
学校で学ぶ歴史からは知りえないストーリーを「二つの祖国」から学んだ。

天羽賢治という日系二世が主人公として登場するこのストーリーの中で
3年、4年もの年月をともに過ごしたような妄想にふけった。

太平洋戦争は、多くの悲しみを生んだ歴史的事実であり、自分が経験しえない事実がそこにある。

場所は、アリゾナ砂漠のキャンプ。
1941年12月7日の真珠湾攻撃の日以来、敵国人としてアメリカに住む日系民間人がそこに収容されていた。
有刺鉄線は中に向き、日系人の牢獄。
ナイフ、はさみなどの所持は許されておらず、食事用のスプーンが紛失したというだけで、
収容者を真っ裸で100度を越える戸外に列に並ばせ、床を引っぺがしたり、点検を行うこともあった。

同じ人間ではないものとして人を扱う様は、永遠に考えさせられる。

日本軍が満州でしてきた残虐な行為に限らず、歴史的な罪に加害国、被害国は存在し
その代償を払うのは、当事者ではなく、同じ人種である人々。

歴史に関わる人物が下す決断は、本当に多くの犠牲を生むこともあり
歴史は単に繰り返されるだけではなく、作られた限り、そこに流れが生まれ
人はその流れに沿わざるを得ないのだと深く思った。

収容所に入れられた日系人は、リトルトーキョーに住み、レストランやランドリーなどを営んで
生活をしていて、決して楽な生活をしていたわけではない様子が描かれていた。

そこからマンザナール収容所での生活が強いられた。
マンザナール収容所には1500人ほどが収容され、主人公の天羽賢治もここにいて
持ち前の日本男児の気質で周りからは一目置かれる存在だったし、どうしたらこんなしっかりした
生き方を貫ける人が育つのかと考えさせられた。

天羽賢治は惚れ惚れとする九州男児で芯の強さがよく現れている。
この本を読んだ感想は一言では終えられないけれど
彼の生き様は、まさに太平洋戦争の時代、悲しみと愛のドラマを
写していた。

出来事に対して、被害にあうものと、被害を加えるものがいる。
この両面がすごくよくみえて、自分の祖先がその時代を歩んだという事実を
組み込むことはむつかしても、彼の生き様を追うことでその時代を知ることが出来たのでは
ないかと思う。

7つの習慣

The Seven Habits of Highly Effective People 7つの習慣―成功には原則があった!Stephen Covey著 ずっと読もうと思っていて、全然読むことがないままだったのだけれど
今まで読んでいた、「二つの祖国」を読み終えたから
引き続き、山崎豊子さんの作品を読む前に、7つの習慣を読むことにした。

何気に忙しい日々の中でも、何か同じ法則があってうまくいくことや
いかないことってあると思う。

言い訳作りは出来ても、良くしていくことにもっと前向きになりたいと思うから
じっくりとゆっくりと、自分を見直すきっかけにしようかな。

どの習慣も、内容を読む前からでもわかることだと思う。

第一の習慣:主体性を発揮する。
第二の習慣:目的を持って始める
第三の習慣:重要事項を優先する
第四の習慣:Win-Winを考える
第五の習慣:理解してから理解される
第六の習慣:相乗効果を発揮する
第七の習慣:刃を研ぐ

物事には、必ずこうでなければいけないという地図はなくても
バランスでこうあるといいという地図はある。
それは、自分の眼鏡でみるものではなくて、客観的に考えないと見えない地図。
その地図にはスタート地点があり、ゴールもある。

もし、自分の眼鏡でその地図を取り違えていたら
スタートもゴールも自分だけが自分の器で作り出すにすぎないことになる。
そこに周りとの相互作用や、共存、関係は生きてこない。

自分のメジャーで人を理解しようとしないこと。
理解して欲しいと願うなら、まずは相手を理解すること。
それは、相手の気持ちに限らず、置かれている境遇だとか条件だとか
ものの考え方とか、幅広いと思う。
そう考えると、人を理解することは、決して容易なことではない。

そして、同じ事を人に望みたくなるときこそ、客観的に自分を見つめなければ
いけないのかもしれない。